【100km移動!?】世界一過酷な子育てをする鳥「コウテイペンギン」の子育てを徹底解説!
今回は「世界一過酷な子育てをする鳥」について解説していきたいと思います!
みなさんは世界一過酷な子育てをする鳥というとどんな鳥さんを思い浮かべますか?
「そんな有名な鳥やないんやろ」って思う方もいるでしょう。
え、そうなん?知らんかった・・・・・
しかし世界一過酷な子育てをする鳥というのは実は皆さん多くの方がご存知であろう「コウテイペンギン」なのです!
そして子育ての過酷さは本当に常軌を逸しています、おそらく皆さん絶句するでしょう。
世界一過酷な子育てをする鳥について
コウテイペンギンってどんな動物?
さて、まずはコウテイペンギンがどんな動物か簡単に紹介していきましょう。
コウテイペンギンは学名【Aptenodytes forsteri】体長は「約115センチ~130センチ」ほどの現生最大のペンギンです!
南極大陸で繁殖をする数少ないペンギンであり、他には「アデリーペンギン」しか南極で繁殖していないんですよね。
-60度の南極大陸で繁殖する
少し解説しましたがコウテイペンギンは「南極大陸」という-60度ほどの世界で子育てをする鳥になります、この時点で多くの生き物は生きていけませんね。
繁殖時期は現地で秋である「5月~6月」に始まります、と言うことはすぐに冬がやって来てしまうと言うわけです。
何故わざわざ寒い場所で寒い時期に繁殖を始めるのかという話ですが、これはヒナの成長と餌の量が関係していると考えられています。
160kmの大移動を繰り返す
寒すぎる南極大陸で繁殖するコウテイペンギンですが、ここからさらに子育てが過酷になる場所に移動していきます。
なんと餌場となる海から「50km~160km」も離れた南極大陸内陸部に移動して繁殖をしていくのです!
これは一つの説として天敵から逃げるためと考えられています、しかしここまでやっても場所によっては「オオフルマカモメ」「トウゾクカモメ」などに卵やヒナをさらわれることもあるようです・・・
オスは65日以上絶食する
無事繁殖地に到着して卵を授かったコウテイペンギンには更なる壁が立ちはだかります。
卵の番をするのはオスなのですが、孵化するまで約65日間雪や氷以外のものを食べることが出来ない「絶食期間」がオスを襲います。
その間オスは抱卵嚢(ほうらんのう)と呼ばれるお腹の皮で卵を温めつつ半睡眠状態で立ったまま孵化を待つのです、その間でオスの体重は40パーセントも減少するといいます。
メスは餌場まで数百キロ移動する
オスが卵を温めている間メスはヒナに与える餌を獲るため餌場の海へ「50km~160km×2(往復)の旅」に出かけています。
しかも産卵を終えて疲弊している状態で海へと向かっていくようです、とんでもないですねほんと・・・
そうしてたくさんの餌を手に入れてもまた50km~160kmの道のりを戻っていかなければならないのです。
ヒナはオスとメスで面倒を見る
卵が無事孵ってもまだ苦難の子育ては続きます、メスが戻ってくるまでオスは卵を孵化させる間の絶食状態で食道から分泌される「ペンギンミルク」と呼ばれる乳白色の物質をヒナに与え育てます。
メスが帰ってくると今度はオスが海への旅に出かけます、しかし先ほど紹介したとおりあまりに過酷なため途中で力尽きてしまうこともあります。
またヒナが多くの餌を食べるようになるとオスとメスどちらも餌をを求めて海へと旅立ちます、本当にとてつもなく過酷な子育てです・・・
天敵が襲いかかる
【シャチ】
ここまで過酷過ぎる子育てについて解説してきましたが、子育て以外にもペンギンには「天敵」が存在しています。
先ほど紹介したとおり卵とヒナは「トウゾクカモメ」「オオフルマカモメ」に、成鳥は「シャチ」「ヒョウアザラシ」に捕食されてしまいます。
特に成鳥の場合長旅で疲れているところを襲われるのでひとたまりもありません。
【番外】体力温存の移動方法
コウテイペンギンに限らずペンギンには「体力を温存する移動方法」があります。
それが「トボガン」と呼ばれる方法で、腹ばいになりお腹ですべって移動します。
一見遊んでいるようにも見えますが実は歩くより移動スピードが速く、滑ることで体力を温存できるので過酷な環境で生きるコウテイペンギンにとっては必須ともいえる移動方法になります。
世界一過酷な子育てをする鳥についてのまとめ
いじょうが「世界一過酷な子育てをする鳥」ことコウテイペンギンについての解説となります。
コウテイペンギンの過酷な子育ての内容をわかっていただけましたでしょうか?
そうだね、コウテイペンギンは餌が獲れる海から50km~160kmも離れた場所で繁殖をするペンギンです。
わざわざそんなに移動するのは天敵が寄り付かないようにするためと言うのが一つの説でした。
しかし人間でもきついのにこの方法で育児をしてしまうコウテイペンギンさんはまさに世界一過酷な子育てをする鳥ですね。
そんなコウテイペンギンのオスは立ったまま「絶食」をしつつ抱卵嚢で卵が孵化するまで約65日間も耐え続けることを紹介しました。
睡眠に近く体力を温存するとはいえ65日はあまりにも過酷です。
さらにその後は海に餌を獲りに行かないといけないので、道中含め約120日ほど絶食を続けているとも言われています。
というわけで!この記事では「世界一過酷な子育てをする鳥」ことコウテイペンギンの子育てについて解説をしてきました!
参考になっていたら幸いです。
動物園などでコウテイペンギンを見かけることがあったら是非観察してみてくださいね。